一般社団法人あがり症克服協会 代表理事 鳥谷 朝代
株式会社スピーチ塾 代表取締役
人見知り克服協会 代表
心理カウンセラー
NHKカルチャー/朝日カルチャー/よみうりカルチャー
中日文化センター/リビングカルチャー話し方講師
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「緊張」とは、私たちの日常においてとても身近な心理状態のひとつです。
さまざまな状況で、心拍数が上がり、手のひらが汗ばみ、言葉が詰まる―そんな経験をしたことのある方も多いことでしょう。
このコラムでは、緊張しやすい人の特徴や性格、緊張のきっかけとシチュエーションとその対策についてお伝えしていきます。
目次
1.緊張しやすい人の特徴
2.緊張しやすい人の性格
3.緊張のきっかけとシチュエーション
4.まとめ
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1.緊張しやすい人の特徴
このサイトをご覧いただいている方は、ご自身またはご家族やご友人が、「人前でのあがり、緊張、不安」に悩んでいると思います。
その場面は非常に多岐に渡ります。
老若男女問わず、実に様々な職業の方・立場の方が緊張で悩んでいらっしゃいます。
Case01:大勢の人の前でのスピーチ
Case02:会社の朝礼でのあいさつ
Case03:お客様の前でのプレゼン
Case04:学校行事での司会(PTA・保護者会・懇親会など)
Case05:人に何か教える職業(インストラクター・講師など)
毎日多くの緊張に悩める人とお会いしていますが、
あがり症で悩まない職業はないというくらい、どの職業でも人前から逃げることは出来ない状況であることが伺えます。
一例ですが、僧侶、探偵、ソムリエ、不動産鑑定士、校長先生、学校の先生、幼稚園役員、アナウンサー、鍼灸師・・・などの方がいらっしゃいます。
経営者の方、管理職の方も非常に多いです。保護者会・PTA役員の方もたくさんいらっしゃいます。
人前で話すことを求められている方、と言ってもいいでしょう。
では、「人前で緊張する」というのはどういう人でしょうか?
実は、「約96%の人が人前で緊張する」というデータがあります(※)。
※(社)あがり症克服協会調べ(オンライン授業Schooアンケート集計等)
この結果から分かることは、人前で緊張することはごくごく当たり前ということです。
人前に出ることが仕事の人は別ですが、一般的に人前はある意味「非日常シチュエーション」なので、緊張するのは当然のことです。
いえ、人前に出ることが仕事の人ですら、緊張しやすいと答えている人もいるくらいです。
「人前で緊張する人はどういう人か」=「ほぼ全ての人が緊張する」
ということです。
しかし、緊張は見た目ではまったくわからないため、多くの人が「こんなにひどいのは自分だけ」と悩んでいます。
呼吸が速くなる、心臓がバクバクする、血圧があがる、消化器系の働きが悪くなりお腹が痛くなってくる、筋肉のこわばり、イライラ感、焦燥感、そのいずれの症状も通常の生活では感じることのない非日常の感覚になるわりには、はた目からはそれほど違いを感じられないのが特徴です。
「こんなにひどいのは自分だけ」と思い込んでしまう原因はここにあります。
職場の人や友人、家族にすら打ち明けられず、深刻な悩みを抱えていたとしても、周囲はまったく気づかなかった、というケースも少なくありません。
「緊張」は人に打ち明けにくい悩みだからこそ、その悩みが深くなっていくという側面があります。
あがり症克服協会の講座にいらっしゃる方も、これまで誰にも打ち明けることができなかった、今日講座に来ることを誰にも言っていない、という方が多くいらっしゃいます。
NHKカルチャーやその他文化センターでも講座を行わせて頂いておりますが、当協会の講座は”お忍び率ナンバー1”というお話をよく聞きます。
「(受付で)講座名を大きな声で言わないでください」
「家に電話してこないでください」
「ダイレクトメッセージはいりません」
このような声がよく聞かれます。
受講生の方に、当協会を知ったきっかけをアンケートしていますが、
その集計結果は以下の通りです。
SNS、公式ホームページ、著書・DVDなど、他の誰に知られるでもなくひとりでも情報収集から申込みまで行える手段が、全体の75%以上を占めています。
それ以外のきっかけはこまごまとひしめきあっていますが、「ご紹介」にいたってはなんと全体の2%です。口コミがほぼないのです。
自分も誰かに悩みを打ち明けにくいと同時に、協会の講座を受けた方も同じ悩みを持つ方へ勧めるといったきっかけ作りがほぼないことが分かります。
人前で緊張する・あがり症であることを克服した人でさえ、まだまだ他人には言いにくいと思っている、もしくは元来内気な性格なため自分から進んで情報公開しない、という傾向もあるように見受けられます。
2.緊張しやすい人の性格
緊張は誰でもするものですが、なぜその緊張を「気にしすぎる人」と、「それほど気にしない人」と分かれるのでしょうか。
緊張は病気ではなく、ましてや遺伝でもありません。
講座を行っていても、生まれつきあがり症という人は聞いたことがありません。
講座であがりの発症時期を伺っても、
「小学生まではなんともなかったのに中学の国語の本読みで急に人前での異常な緊張を自覚しました。」
「中学校まではなんともなかったのに高校の自己紹介で頭が真っ白になり何も話せなくなりました。」
「管理職になったとたん、人前で話すときに異常なほどの発汗や言葉につまることが多くなりました。」
など、必ず過去との比較で話をされます。
「昔はうまくいっていたのに・・・」
そのことが、自分自身をさらに苦しめている原因にもなっています。
過去のうまくいっていた自分とも比較するので、「こんなに緊張する自分は情けない」「人前であがるなんて恥ずかしい」という思いが強くなっていくのです。
これが、緊張しやすい人の思考パターンです。
緊張は病気や遺伝ではありませんが、緊張しやすい性格というのはあります。
思考パターンチェック
ではここで、緊張しやすい性格かどうかをチェックしてみましょう。
その性格(思考パターン)もいくつかに分類することができます。
どういった性格だから緊張しやすいのかを知ることが、緊張しやすい性格を変えていくスタートラインとなります。
□ ①人の視線が気になる
□ ②自分以外はみんな上手く感じる
□ ③緊張しているのは自分だけだと思う
□ ④あがり症であることを人に言えない
□ ⑤このHPを見ていることを家族にも隠したい。
□ ⑥今まで苦手なことを避けてきた
□ ⑦準備・練習はあまりしたくない
□ ⑧当日はできれば用事を作るか、仮病を使いたい
チェックしましたか?
①~③は自意識過剰グセ、④~⑤はええかっこしいグセ、⑥~⑧は逃げグセがある傾向にあります。
あがり症は治せます。
あがり症を治せるということは、性格(思考パターン)を治せるということです。
緊張しすぎる自分を治そうとする際には、ぜひご自身の思考パターンの問題点を意識しながら取り組んでください。
出典元:青年期における対人不安・緊張の構造 – 横浜国立大学
3.緊張のきっかけとシチュエーション
前述したように、小学生までは本読みが得意だったのに、中学に入ったら急に緊張を意識し出した、という人も多いです。
社会人になってから急にあがるようになったという人もいます。
子供には緊張の認識がなく、初めて認識するのは、概ね中学~高校生くらいの思春期で、自我が芽生え、自意識過剰になる時期であり、大人になる過程での自然現象とも言えます。
ただ問題なのは、それにより人前に出ることを避け続けること。挑戦をあきらめてしまうことです。
逃避を繰り返すと、人前に対するマイナスイメージがますます膨らんでしまうだけでなく、「自分はまた逃げた」という自己嫌悪感がさらに強くなってしまうため、ますます悪化してしまいます。
結果、子供の頃のたった一度の失敗で、その後何十年と緊張に悩まされる人も多いのです。
学生時代のトラウマ一例
・教科書読みで声が震えた
・リコーダーのテストで指が震えて吹けなくなった
・歌のテストで緊張して声が出なくなった
・部活の試合で緊張して失敗した
・面接で一言も話せなかった
社会人になってからのトラウマ一例
・自己紹介でうまく話せなかった
・会議や研修で思うように発言できなかった
・結婚式の挨拶で頭が真っ白になってしまった
・朝礼やプレゼンで詰まってしまった
・お茶出しのときに手が震えて、カチャカチャ音を出してしまった
・お酌で手が震えて恥ずかしい思いをした
・ゴルフのティーショットやパットで硬直し、ミスを連発した
これらの失敗を一人で抱え続けて、講座で初めてそれまでの悩みを他人に打ち明けたという人もほとんどです。
そして、その瞬間、これまで感じたことのない安堵感に包まれて涙を流される方もいらっしゃいます。
このように、過去の恐怖体験(極度の緊張体験)などにより抑圧された不安や感情を言葉で表現することで、その苦痛から解消され、安堵感や安心感を得ることを精神分析の用語で「カタルシス効果」と呼びます。
(※カタルシス=ギリシャ語で「浄化」の意)
この「カタルシス効果」は”人前での極度の緊張”という恐怖への克服に取り組む際の勇気になります。
4.まとめ
「緊張」というある種の恐怖に立ち向かうには、同じ悩みを持つ人と交流を持つとよいです。
自分だけじゃないと知ることです。
人に話せるようになることが「緊張を解くきっかけ」となり、あがり症克服へとつながっていくのです。
あがり症克服協会はそのような場を提供しています。
あがり症や緊張症であることを堂々と言える世の中に、そして誰もがありのままの自分を表現できる世の中になることを、私たちはいつも、切に願っています。