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手の震えの原因と克服法~あがり症の手の震えの治し方~

手の震え

2024.10.16

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一般社団法人あがり症克服協会 認定講師 宮松 大輔
心理カウンセラー
NHKカルチャー話し方講師
 
 
 
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目次

1.手の震えに悩む人へ
2.手の震え克服法~体づくり編~
3.手の震え克服法~メンタル編~
4.手の震えのリカバリ方法
5.トレーニング
6.体験者は語る
 

1.手の震えに悩む人へ

あがり症の症状で、声の震えと並んで最も多い悩みの一つが手の震えです。

マイクを持つ手
人前で字を書くときの手(書痙)
お茶出しする時の手(茶痙)
乾杯のときのワイングラスを持つ手

老若男女問わず多くの方が様々な緊張場面で抱えている悩みです。
 

声の震えと一番違うところをあげるとすれば、
その震えが目に見えるということでしょう。

声は目に見えず、心臓の鼓動の早さや呼吸の浅さなどは傍目からはまず分かりませんが、
手の震えはひどいと目に見えて分かってしまいます。
ここに手の震えの克服の難しさが潜んでいます。

 

手の震えがひどくなるメカニズムは次のとおりです。

①緊張する

②手が震える

③他人から「手が震えているよ」と指摘される

④あがり症、緊張しやすい人というレッテルが貼られる(と本人が感じる)

⑤恥ずかしい、自己嫌悪

⑥次、同じような場面が嫌になる・怖くなる

 

②から③への推移がひとつのポイントです。
あがり症の人は、緊張していることを他人に気づかれることを何より避けたいのに、手の震えが発生した場合は、かなりの確率で近くにいる人に指摘されます。

自己否定感が強い傾向にあるあがり症の人は、他人に指摘されると、輪をかけて自意識過剰がヒートアップしてきます。

「やっぱりダメなんだ…恥ずかしい…逃げたい…」
「次やってもまた、言われてしまう…」
「もう、あんな恥ずかしい思いはしたくない…」

 

 

もう、同じような場面は避けたい気持ちでいっぱいになってきます。

結果、人前での手の震えを避けるにはその場面自体を避けるしかなくなってきて、自分の行動範囲が狭くなってきます。
楽しいこと、やりたいことはあっても、手の震えひとつで気分が進まず重くなってくるのです。

しかし、緊張から来る手の震えは治せます。

声の震えは発声練習で治すことができるように、手の震えも体を使った克服法を取り入れることで誰でも簡単に改善していくことができます。

その方法をお伝えしていきます。
 

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2.手の震え克服法~体づくり編~

 

緊張感が体にやってくると、自律神経のうちの交感神経が優位に立つので、心臓の鼓動や呼吸が速くなり、筋肉は緊張し体の内面で軽微な震えを感じてきます。
まずこのこと自体は「ごくごく自然な体の反応であって悪ではない。」と思ってください。
出典元:自律神経とは?-鳥取大学医学部

大勢の人前に立った時に「緊張しやすい」と答えている人は96%です。
ほぼほぼ全員が同じような体の反応をしているのです。

 

あがり症とは

 

ちょっと緊張感がやってきたときに「やっぱり自分だけが特別、あがり症なんだ」と思ってしまうと、ここぞとばかりに震えが大きくなってきます。
まずここが大きな最初の分かれ道です。
 
緊張感がやってきたときはとにかく「震えてもオッケー」「緊張するのは当たり前」と切り捨てましょう。
 
相手にしないことです。
緊張はかまってちゃんの傾向がありますので、かまえばかまうほどやっかいになるだけです。
放っておいて、これからお伝えする方法に集中してください。

 

 

手が震えないための体のポイントですが、
それはずばり、
「お腹でモノを持つ」
ことです。
手で持つんじゃないのです。

お腹でマイクを持つ、お腹でえんぴつを持つ、お腹でお茶請けを持つ、お腹でワイングラスを持つ、のです。

お腹とは、もっと具体的に言うと「丹田」です。

丹田とは、おへその下約5cmくらいのところにある体の部位です。

モノに直接触れるのはもちろん手ですが、手先ばかりに集中してしまうと繊細な神経は手に集中してより震えやすくなってきます。
過度に手に神経が集中してしまうことは防がなければなりません。

お腹でモノを持つ体の使い方を覚えると、手の震えは止まってきます。

さて、お腹でモノを持つ感覚を掴むために必要なポイントは以下4つです。

 

1.全身(特に上半身)の力を抜く。

2.いい姿勢をする。

3.深い呼吸をする。

4.丹田周辺の腹横筋に力を入れてモノを掴む。

 

順番に説明します。

 

1.全身(特に上半身)の力を抜く。

 

まず、緊張して震えがひどくなることの原因の多くは、震えを隠そう、震えまいと力んでしまうことです。
緊張時に体の内面が小刻みに震えるのは正常な体の自然な反応ですので、それを意識してゼロにすることは至極難しく、できないと思った方がよいでしょう。

出典元:不安障害 – ストレスとこころ – 厚生労働省

敏感な人ほど、この自分の内面の変化に気づいて、気になってしまうと思いますが、出来ないことを無理にしようとしても苦しいだけで何の効果もありません。
むしろ、焦り、震えは余計ひどくなります。

冒頭で「手の震えがひどくなるメカニズム」として6段階をお伝えしました。
その最初の3段階はこうでした。
 

①緊張する

②手が震える

③他人から「手が震えているよ」と指摘される

 

これをもう少し、心の動きも入れて見てみます。
 

①-1.緊張で体の内面が震える(まだ周りの人からはそんなに分からない)

①-2.周りの人にばれる前に震えを隠そうと手に力を入れる(自意識過剰)

②-1.震えは止まらない(自分の意思ではどうにもできない、焦り)

②-2.段々震えが大きくなる(止まらないから余計恐怖心がやってくる)

③   他人から「手が震えているよ」と指摘される

 
ここで注目して欲しいのはこの部分です。
 

①-2.周りの人にばれないように震えを隠そうと手に力を入れる(自意識過剰)

②-1.震えは止まらない(自分の意思ではどうにもできない、焦り)

 
自分の無力感を知ってください。
そして、諦めてください。
震えに力ずく勝とうとしても無理です。どうにもならないんです。
なので、潔く白旗をあげましょう。

いえ、白旗というか、非戦ですね。
自分の体の反応と「和解」します。

 

 

震える自分の体を認めてあげる。
共に生きる道を選びます。
あなたの大切な体ですからね。

現状を受け入れることで、克服するための次の対策に進んでいく事ができます。

 

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2.いい姿勢をする。

さて、力むことは震えの大敵と分かったところで全身の力を抜きますが、そうすると猫背になる人がいます。

猫背って、一見ラクな姿勢に思えるかも知れませんが、実は肩こりの原因になるなど、体に負荷のかかる姿勢です。

体の力を抜くといっても、もちろん本当に全ての力を抜いたら立ってられるわけもなく、どこかの筋肉が体を支えています。

そのときに支えるのが、丹田です。
体の重心は丹田に置きます。

上半身リラックスをキープするために、丹田周辺(腹横筋)で体を支えます。
よく言われる「体幹」です。

かかと、おしり、背中、肩甲骨、後頭部まで一直線。
これがいい姿勢です。
手は重力に任せてダラーンとしておきます。

 

 

余計なところに力を入れないこの姿勢が、手が震えないための基本姿勢です。

 

3.深い呼吸をする。

それでも緊張しているときは心臓の鼓動が速く、呼吸も浅いので、上半身に力が入っています。

次にそれを鎮めていきますが、そのために効果的なのが腹式呼吸による深い呼吸です。

腹式呼吸でしっかり呼吸を深く丹田に集めて重心を下げていきます。

体のバランスは呼吸で決まります。
浅く呼吸をすれば重心は上半身に、深く呼吸をすれば重心は下半身になります。
「お腹でモノを持つ」感覚を掴むには、下半身に重心を集めることは必須です。

腹式呼吸についてはこちらをご参照ください。

あがり症克服法5つのポイントと3大原因

⇒「4.あがり克服5つのポイント」の「② 腹式呼吸で震えない声をつくる」。

 
出典元:口すぼめ呼吸と腹式呼吸を身につけましょう – 独立行政法人環境再生保全機構
 

4.丹田周辺の腹横筋に力を入れてモノを掴む。

 

 

さて、いよいよ「お腹でモノを持つ」番です。

その前にひとつ質問です。
 
手の根っこはどこにあると思っていますか?
 

1.手首(てくび)
2.肘(ひじ)
3.肩(かた)
4.胸(むね)
5.お腹(おなか)

 
正解は、「5.お腹(おなか)」です。

お腹から肩を通して手がはえているのです。
お腹と手はつながっています。

「1」と答えた方は、一番手が震えやすい体の使い方をしがちです。

モノは手で持つのですが、その手の根っこは丹田にあることをイメージしてください。
先端は手ですが、根っこはお腹にあります。
手に力を入れて手を動かしません。
丹田に力を入れて、手を動かします。

クレーンゲームを想像してみましょう。

動力源は先端ではありませんね。
手はモノを掴むだけ。
手前のレバーやボタンで操作し、台の下の方に動力源があります。
だから手先がブレないのです。

丹田に意識を集中して、手を動かします。

そして、手に必要な力は、重力を感じながらモノを落とさない程度で十分です。
卵を割らずに持つくらいの感覚です。

例えばマイクの重さが280gだったら、手の力も280gで十分と思ってください。
握力70kgの力自慢の人も、0.4%の力を発揮して頂ければ十分です。
それ以上力を入れると、力みとなり震えの原因となるだけです。

 

 

その微妙な力加減が難しいと思った方、それは、手や腕の筋肉で力の出し入れをしようとするからです。

手や腕の筋肉の力加減は変えません。

「モノを落とさない力加減」でキープです。

そのための体の使い方はこうです。

脇は締めます。
脇が開いていると肩・肘など支える関節が増えるので、必要以上の筋肉に力が入ります。
力が入った筋肉ほど震えの原因になるものはないので、脇は締めて、使う筋肉(関節)を最低限にします。

そして肩の力を抜き、持っているモノは自分の体のセンターに持ってきます。
自分の中心が一番バランスよくモノが持てる位置です。筋肉も均等に使われます。

グッと手に力が入りそうになったら、その力をお腹に持って行きましょう。

危なく手が震えそうになってきたら、グッとお腹に力を入れましょう。

あくまでも手に力は入れません。

震えの原因を手に責任転嫁してはいけません。
手には荷が重いです。

 

 

上手にモノが掴めないとしたら、悪いのは司令塔です。
クレーンゲームでうまく取れなくても、
手先を責めたりしませんよね?
(違法的なゆるゆる設定の場合も手先じゃなくて店を責めましょう)

同じです。

上手くいかないとき、ボタンをビシバシ叩くように、丹田をビシバシ叩きましょう。

そして丹田に力を込めて、手を動かすようにしましょう。

こうして「お腹でモノを持つ」ことを体に覚えこませていきましょう。

モノを持ちながら動かすときも、原則、手や腕の力は変えません。

例えばモノを下すときは、膝を落とす、モノを横に動かすときは、腰を捻る、など、体全体を使って動かします。
特に下半身を使います。

手の力加減は一定でキープ、これが基本です。
 

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3.手の震え克服法~メンタル編~

 

 

メンタル面について、少し補足しておきます。

心の持ち方としては、あがらずに話す方法と同じです。

自分の手の震えに意識がいっているうちは、震えてきます。

自分への意識(自意識過剰)をなくすために、本来の目的に意識を持って行きましょう。

マイクでしたらスピーチですから、伝えたいことを聞き手に伝えることが本来の目的ですね。
人前で字を書くときも、自分の名前を伝える、記録として残すため、などがあります。
ホワイトボードで絵や図を書くときは、言葉では伝えにくいことを分かりやすく伝えるため、などがあるでしょう。
お茶出しは、おもてなしの気持ちであったり、この空間を少しでも快適に過ごして頂くためのことです。
新入社員でしたら顔を覚えてもらうためというのもありますね。
ワイングラスは…もちろんおいしいお酒を飲むためです。

シーンとした場面だと自分が注目されてるんじゃないかと気にする人がいますが、目の前で黙ってる人は、他のことを考えていることがほとんどです。
例えばホテルの記帳も受付の人にとってはただの事務処理の一つなので、イチイチどうやって書くかを注目していません。
事務処理に困らない程度の分かる文字で書かれていれば十分です。
もしそれでも気になるなら「私が震えるかどうかを気にしていますか?」と聞いてみましょう。
自意識過剰であることをホテルの受付さんは教えてくれるはずです。
 

4.手の震えのリカバリ方法

それでも「震えそうになってきた、ヤバい。」と思ったときも、リカバリする方法があります。
このときはしっかり、手を見てあげましょう。

 

 

決して震える手から目をそらしてはいけません。
怖いイメージがやってきます。

「またひどく震える。」
「他人から『手が震えているよ』と指摘される。」

「だから見たくない、お願いだからみんなも見ないで!」

と目をそらしたくなる気持ちはよく分かります。

けど、震えを冗長させるのは、怖いイメージです。
それを払拭するのはまず現実を見つめることです。

初期の段階で震えてきたと思ってた手を見つめると、
イメージしてしまった「手の震えの終末」から現実に戻ってくることができます。

そして震えない持ち方

1.全身(特に上半身)の力を抜く。
2.いい姿勢をする。
3.深い呼吸をする。
4.丹田周辺の腹横筋に力を入れてモノを掴む。

を実践することで、落ち着きを取り戻してきます。

やってみてください。
 

5.トレーニング

さあ、実践です。

手の震えも、声の震えなどのスピーチと同じく成功体験を積んでいく事が改善への近道になります。

ただ、いきなり「震えることを指摘されたらどうしよう」と真っ先に「手の震えの終末」が浮かんでしまうような場面に飛び込むのはハードルが高いので、共感してもらえる仲間がいる場面でトライして成功体験と自信を積んでいくのが一番のオススメです。あがり症のための話し方教室を利用するのもよいでしょう。

また、誰かに言われてからやるだと注目されてしまうので、日常生活の中で自分から積極的に、進んでやることもいい成功体験になります。
 

 
自分から進んでやると、不思議と見られている感じがしなくなってきます。
成功体験の機会、練習のチャンスも自分でゲットしていきましょう。

なお、重いものを持ったあとや寒いときも震えますので、緊張したときの震えとごっちゃにして余計な失敗体験にカウントしないように、分けて考えるようにしましょう。

 

6.体験者は語る

この私もひどく手の震えに悩まされてきました。
本を持つ手、マイクを持つ手、文字を書く手、お盆を持つ手、数え上げれば枚挙にいとまがないほどブルブルしてきました。

何をしてもブルっては近くの人に「震えてるけど大丈夫?」と指摘されて、やさしさなのかも知れないけど「そんなこと気にしないで」という気持ちも持ってしまうほど、うまくできない自分に苛立ちを覚えていました。

自称「緊張による手の震えを指摘された回数世界一」ですが、そんな私も今回お伝えした方法で、本を持つ手、マイクを持つ手、文字を書く手、お盆を持つ手、全て震えなくなりました。

あるとき、コーヒーやお冷などが載っている不安定なお盆を片手で持ち運びできるようになっていたことは、言われて初めて気づきました。

それほど、手の震えのことは頭の中から消えていたのです。

体で覚えるとはこういうことなんだろうと思います。

手の震えに苦しむ方、ぜひお試しください。
 

※お急ぎで手の震え克服に取組みたい方への講座ご案内※
手の震え

 

声の震えが気になる方はこちら。

声の震え克服法~あがり症の声の震えの治し方~

 

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宮松大輔
この記事を書いた人
宮松 大輔(daisuke)
一般社団法人あがり症克服協会 認定講師

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