あがり症克服協会に入会したのは、2010年10月です。まだスピーチ塾の頃です。
NHK名古屋教室でお世話になり、先月で丸5年が経ちました。入会直前は、あがり症による失敗の連続で、自分は社会の負け組だと自分で自分を攻め続け、半鬱状態まで陥り、自殺まで考えておりました。
そんな時、ネットで『人前でスピーチする事の心地よさ、爽快感を味わいませんか』というフレーズに衝撃を受け、NHKだし信用出来るかなとの思いもあり、藁をも掴む気持ちで、即申し込みました。入会したからには、絶対にあがり症を克服してやるという強い意思を持って、2回/月の講座は勿論の事、様々なイベントにも積極的に参加してきました。
NHK名古屋教室は継続者が多く、新規の方のキャンセル待ちが続出するくらいの人気教室です。講座が終わった後は、殆どの方がランチ会にも参加します。講座の中ではお話出来なかった方とも個別にお話が出来、皆仲良くなります。一種の異業種交流会となります。このランチ会にも欠かさず参加し、ギスギスした会社の人間関係とは異なり、居心地のいい自分の居場所を見つけた感じでした。
昨年、(社)あがり症克服協会に改名し、教育カリキュラムが新設されました。ベーシックコース、アドバンスコース、インストラクター養成コースが整備され、進んで受講しました。当時、NHK名古屋の同じ教室、同じ受講生という慣れによる勘違いの自信がついていました。そんな中、東桜教室で受講したベーシックコースでは大緊張を味わい、勘違いの自信に気付きました。
アドバンス、インストラクラー養成コースでは、敢えて銀座教室で受講しました。多少なりとも自信が着いた事を覚えています。昨年の12/21に無事インストラクターの認定書を頂き、1/25(日)の栄中日文化センターから講師をさせて頂いています。
講師を拝命して早10ヶ月。この間、NHK名古屋教室、東桜教室、栄中日文化センター、一宮中日文化センター、そして、ピンポイントですが、NHK福岡教室、NHK広島教室、遠方の教室まで担当させて頂きました。受講する側から協会を代表する教える側へ変わり、責任は重くなりましたが、その分、様々な経験をさせて頂き、あがり症改善のみならず社会人としても成長出来た事を実感しております。
この5年間で、協会から学んだ最も大きい事は、人前に出る事から『逃げない』という事です。人前に出る事を依頼された場合、即、引き受ける事を心がけました。色々考えると、あれは嫌だ、これも嫌だ、と嫌な事が次から次へと出てきます。考える前に、OKの即答です。『嫌な事は考えない』です。『逃げない』ために、考え方も変えるようにしました。挫けそうになった時は、心の中で、俺なら絶対に出来る、絶対に!もっと自分に自信を持て!頑張れ、自分!と、何度も、何度も自分に言い聞かせるのです。こう思うと、少しは楽になります。
会社の教育や組合の研修では、グループ討議があります。グループ内で、各担当を決める時、発表担当は皆嫌がります。そんな時は、自分から進んで『俺、発表担当をやります』と先に宣言するようにしました。そうすると、討議内容を理解しないといけませんから、自分に対しても活が入って眠気もなくなり、真剣に討議せざるおえなくなり、分からなかったら質問もして、内容を理解する事も出来ます。そして、発表する時は自信を持って発表し、成功すると自信の上積みが出来ます。
こんな事もありました。社内のゴルフコンペで、進んで幹事をやった時、スタートホール前に連絡事項や挨拶をしました。その直後、参加者の1人から『山口さん、挨拶上手いっすねー』と、褒められたのです。全くの想定外でした。挨拶で褒められるなんで、人生初の出来事です。前夜に言うべき連絡事項を整理し、挨拶内容も箇条書きにメモして、練習もしていた効果だと思います。些細な事ですが、自分史に残った出来事の1つです。
人前の場数を増やし、たまに失敗もありますが、成功すると成功体験で過去の失敗体験をドンドンと消去出来ます。理事長から講座の依頼があると、即答で引き受け、この10ヶ月で6教室も経験させて頂きました。御陰さまで、初めての教室、初対面の方々に対しても、臆する事なく講座が出来る様になりました。5年前、あがり症が原因で自殺まで考えた頃の自分からすると、全く想像出来ない事です。
今、改めて考えると、あがり症で良かったなと思います。あがり症だったからこそ、あがり症克服協会に入会出来、理事長と出会う事が出来、講師仲間、受講生とも出会う事が出来、そして、こうやって、人前で堂々と自分の意見が言えるようになりました。
本当に、理事長、講師の方々に感謝しております。有り難うございました。
from : 山口伸一郎