一般社団法人あがり症克服協会 代表理事 鳥谷 朝代
株式会社スピーチ塾 代表取締役
人見知り克服協会 代表
心理カウンセラー
NHKカルチャー/朝日カルチャー/よみうりカルチャー
中日文化センター/リビングカルチャー話し方講師
こんにちは。鳥谷朝代です。
私は、日本で初めてのあがり症の方のための協会「あがり症克服協会」を立ち上げた理事長であり、あがり症克服の専門家です。
これまでにあがり症に関する著書15冊以上(累計20万部以上)発行しており、TVやラジオなど各種メディアも数多く出演させていただいております。
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あがり症克服協会の顧問には、精神科医・医学博士の藤井英雄さん、咲江レディスクリニック院長の丹羽咲江さんが着任しております。
あがり症に悩み病院へ行くと、「社交不安障害(SAD)」と診断されて薬を処方される可能性があります。
人前に出た時に緊張感がやってきて、心臓がドキドキしてきたり、呼吸が速く・浅く・苦しくなってきたり、声の震え、手足の震え、赤面、汗、などの症状が出てくること、これは大抵の方が経験されていることです。
しかし、それを長年引きずり、「あがり症」として苦しむ方とそうでない方とがいらっしゃいます。
あがり症克服協会のアンケートによると、96%の方が「(大勢の)人前で緊張しやすい」と答えています。
この結果から見えることは、人前に出た時に緊張感がやってくること自体はごくごく自然な体の反応ということです(ほとんどの人がそうであるという観点にて)。
しかし、あがり症克服協会の講師もかつてそうであったように、薬に頼りたい気持ちもよく分かります。
「自分だけが異常なのではないか。」
「ただ人前に出るだけでこんなに体が反応するのは、どこかおかしいのではないか。」
「薬ひとつでラクになるのであれば…。」
あがり症は周りの人になかなか打ち明けられない悩みであるだけに、余計自分ひとりで抱え込んでしまい、頼るところといえば、心療内科を始めとする病院であったり、薬局やインターネットの通販を通じて手に入る「薬」であったりします。
でも、あがり症に薬は有効なの…?あがり症に効く薬はあるの…?
あがり症に苦しむ人たちが知りたいこういった問いに対して、私達の経験から、このコラムでは答えていきます。
1. あがり症(社交不安障害)の人が薬を探す理由
インターネットの検索ワードとして、あがり症とセットで「薬」を指定される方は非常に多いです。
それは、何より自分自身が異常と感じるほどの体の反応、それは耐え難いほどの苦しみであり、自分自身ではどうにもできないあきらめから、何かにすがりたいという気持ちによるものと言えます。
あがり症に苦しむ方には分かるかと思いますが、あのあがり症状は大げさではなく「死の恐怖」です。
心臓が口から飛び出そうなほど鼓動が激しく大きく速くなる、呼吸をするのも苦しくなる、頭の中は真っ白で自分が何を話しているのかさえ分からなくなりあとで記憶もない、それはもう生きた心地ではありません。
この「死の恐怖」に立ち向かうのに薬や病院を求める行動は、命を守るという意味でとても自然な対応です。
しかし、薬を服用すること、そして病院に通うことでさえも、メリットばかりではなくデメリットもあります。
あがり症をどうにかしたいために薬を飲んでいたものの眠くなるだけで効果がなかった、という方は少なくありません。
そして当協会には、薬について熟知している精神科の先生方も生徒さんとしていらっしゃっています。
今、あがり症に悩み、薬や病院に頼ることを考えている方は、後悔のないよう、ぜひ一度必ずこのコラムは最後までお読みください。
あがり症克服と薬の関係の実態をお伝えしていきます。
2. あがり症(社交不安障害)にて処方される薬や市販薬
病院へ行くと、「社交不安障害(SAD)」と診断され、薬物療法を行うのが一般的と言われています。
保険が適用されるため比較的安価ですが、効果は人それぞれであり、副作用がある、根本的解決にはならないなどのデメリットもあります。
あがり症と診断された場合に処方される薬や、市販薬は以下のような種類があります。
・抗うつ薬の選択的セロトニン再取込阻害薬(SSRI:Selective Serotonin Reuptake Inhibitor)
パキシル、デプロメール、ルボックス、ジェイゾロフトなど
セロトニンが減少するのを抑えることで、不安や恐怖などのあがりの症状を改善する効果があるとされている。
・抗不安薬(ベンゾジアゼピン系抗不安薬)
デパス、ソラナックス、コンスタン、ワイパックス、レキソタン、メイラックス、レスタス、アルプラゾラムなど
神経の過度な興奮を抑える物質ガンマ・アミノ酪酸(GABA)の働きを高めることにより、緊張や不安をやわらげる効果があるとされている。
・βブロッカー(交感神経β受容体遮断薬)
インデラル、アルマール、ミケラン、メインテート、アロチノロール、アドビオールなど
高血圧・狭心症・不整脈に用いられる薬。震えや動悸などの症状を改善する効果があるとされている。
・市販薬、ドリンク等
イララック、ノイホスロール、アロパノール内服液、パンセダンなど
天然由来の生薬エキスがイライラ感や神経の高ぶりを鎮静する効果があるとされている。
ウット
主としてブロモワレニル尿素が含まれており、脳の神経を鎮め不安緊張を和らげてくれる効果が期待されている。
これら薬に共通して言えることは、対処療法ということです。
対症療法とは、その症状の原因に対してではなく、表面化している症状を一時的に緩和させ苦痛を和らげることを目的とした治療法です。
根本治療ではないので、あがり症の原因をなくすわけではありません。
つまり、症状が出るたびに薬を飲み続けなければなりません。
人によっては、また、あがりの程度によっては、薬物による治療により症状の緩和が期待できる場合もありますが、薬は症状を一時的に抑えるものであって、根本的な解決にはならないことを前提に検討することをお勧めします。
なお、ネット上での、あがり症に効く薬の通販ランキングやレビューのみを鵜のみにしてご自身で判断し服薬し続けることは非常に危険ですので避けましょう。
3. あがり症(社交不安障害)に「効く」薬の副作用
次に、薬には必ず副作用があります。
あがり症と診断された場合に処方される薬や、市販薬の副作用は以下のとおりです。
・SSRIの副作用
食欲不振、頭痛、吐き気、口の渇き、血圧上昇
・デパスの副作用
眠気、注意力、反射神経、集中力の低下
・インデラル(βブロッカー)の副作用
体のだるさ、めまい、ふらつき、低血圧、手足の冷えやしびれ、目の乾燥
・イララックの副作用
食欲不振、発疹、かゆみ、吐き気やアレルギー症状の誘発
あがり症克服協会の講師も生徒さんも、かつて服薬した経験のある者が何人もいますが、その副作用を確認すると、ひどい眠気に襲われて発表どころではなくなった、めまいがひどい、薬の効き目がなくなると離脱症状が起きる、など人前だけでなく日常生活・社会生活に支障を来すことが起きています。
薬による効き目や副作用、相性は人それぞれです。
上記はあくまで参考としていただき、服用は専門医の指示に従ってください。
また、薬自体の副作用ではありませんが、心療内科・精神科に一度でも通うと生命保険に入りづらくなるというデメリットがあります。
生命保険に入る際には受診の告知義務がありますが、心療内科や精神科の受診歴も当然告知の対象になります。
告知に虚偽があれば保険金が支払われないことになります。
もう少し正確に言うと、保険に入るときに実際に受診したかのチェックはないので嘘をついて加入することはできますが(してはいけませんが)、万が一保険金の支払いが発生する場合には徹底的に調べられ、告知に虚偽があれば保険金が支払われないことになります。
薬の処方があったかどうかは関係なく、一度でも心療内科や精神科・メンタルクリニックなどに通った方は、精神的に不安定な状態にある人としてみなされ、自殺をしたり自傷行為をしたりする可能性が高いと判断されるのです。
生命保険会社はその機構維持のため出来るだけ保険金を支払いたくないため、死のリスクが高い人は加入にあたり不利となります。
また、同様の理由で住宅ローンも組みにくくなります。
もちろん、保険やローンよりも健康が一番大事です。
それと、心療内科等への通院歴があっても加入できる保険もあります。
気軽に心療内科や精神科・メンタルクリニックを勧める方もいますが、このあたりの社会的事実も踏まえて本当に必要か検討した上での通院をお勧めいたします。
4. あがり症(社交不安障害)の治療方法の選択について
薬以外にも、あがり症の治療方法は存在しています。
主に以下のとおりです。
・催眠療法
患者を催眠状態に導き、潜在意識の中にある不安や恐怖を取り除いていく療法。
信頼できる療法、カウンセラーに出会えれば効果も期待できるが、高額な割に効果が得られにくい、持続性がないなどの声も多い。
・森田療法
1919年(大正8年)、森田正馬により神経症に対する精神療法として創始され、心の葛藤や不安をあるがまま受け入れようとする精神療法。通院治療と入院治療がある。
※薬に頼らず認知行動療法で克服したい方は、まずは無料メールセミナーのご受講をお勧めします。
5. 実際の薬の効果について
私はこれまで73,000人以上のあがり症の方を見てきましたが、そのほとんどが薬物療法を試されていました。
しかし、残念ながら、「根本的に解決した」という話はほとんど聞きません。
また、当協会の講師には薬剤師もいますが、やはり薬では改善できなかったとのことでした。
私の経験でも、心療内科の通院や薬物療法は、「人前で話せない自分」「情けない自分」というコンプレックスを増長させる行為でした。
あがり症を克服するどころか、やればやるほど自信を無くしていったのです。
薬物療法を否定しているわけではありません。
薬に頼りたい気持ちは痛いほどわかりますし、協会としても、効果があることなら生徒さんにどんどん勧めたいところですが、残念ながら薬の効果は先に述べたとおりです。
また、薬で根本的に解決に至っていなくても、1人で悩まず、抱え込まないでほしいと思います。
病院、薬、催眠療法…何をやっても、いくら使っても治らなかった「重度のあがり症」を克服した講師が、それぞれの症状に合った、適切なトレーニング法をアドバイスいたします。
効果のほどは、73,000人以上の生徒さんで実証済みです。