あがり症克服に効果的な食べ物があることを知っていましたか?
「緊張しやすい」状態には、脳内物質のノルアドレナリンとセロトニンが大きく関係していることがわかっています。
ノルアドレナリンは、交感神経を活性化させ、心拍数など高めるのですが、このノルアドレナリンの分泌を抑え、心のバランスを整える役割をするのが、神経伝達物質セロトニンです。
心身の安定に関与することから、別名「幸せホルモン」とも呼ばれており、セロトニンが枯渇した状態が続くと、うつ病や神経症などの精神疾患を発症するリスクが高まると言われています。
あがり症の治療で用いられる抗うつ剤は、セロトニンが減少するのを抑えるものであり、このことからも、セロトニンを増やすことがあがり症の改善に効果があることがわかります。
実は、毎日の食事を見直すことで、セロトニンを増やすことができます。
セロトニンの分泌を促進する食品をご紹介します。
セロトニンを増やす食べ物一覧
残念ながら、セロトニン自体を食べ物から摂取することはできません。
よって、セロトニンを増やすには、必須アミノ酸の一種である「トリプトファン」と「ビタミンB6」を摂る必要があります。
トリプトファンはセロトニンの材料となり、ビタミンB6はセロトニンの合成を助けます。
トリプトファンは体内で合成することができないため、できれば毎日、食べ物から摂取することをお勧めします。
魚や肉類、大豆や納豆、味噌などの豆製品、ナッツ類、バナナなどを積極的に摂るようにしましょう。
また、カルシウムやマグネシウムには、気持ちを落ち着かせる作用がありますので、併せて摂取するのをお勧めします。
食生活が乱れるとセロトニンが枯渇した状態になりますので、偏食や不規則な食事、無理なダイエットは避け、日頃からバランスの良い食生活を心がけましょう。
●トリプトファン、ビタミンB6
セロトニンを作り出す材料となる。
例)赤身の肉や魚、牛乳やチーズなどの乳製品、大豆や味噌などの豆製品、卵黄、のり、ナッツ類、バナナなどの果物
●カルシウム、マグネシウム
神経を安定させ、不安・イライラを鎮める。
例)牛乳やチーズなどの乳製品、ほうれん草や小松菜などの緑黄色野菜、わかめやひじきなどの海藻類
※これさえ食べればあがらないという意味ではありません。また、摂りすぎには注意してください。
あがり症の方にオススメな献立
【朝食】
和食派の人には、ご飯、お味噌汁、納豆がお勧め。
洋食派の人には、牛乳やヨーグルトなどの乳製品、卵、バナナなどがお勧めです。
【昼食】
バランスよく栄養が摂れる和定食が望ましいですが、忙しい方はサンドイッチや麺類などの単品でも可。
咀嚼もセロトニンの分泌を促進しますので、時間がないときも出来るだけよく噛んで食べましょう。
【夕食】
肉や魚をしっかり摂りましょう。
大豆食品にもトリプトファンが多く含まれるので、豆腐料理もお勧めです。
<本番当日の朝は>
緊張すると消化機能が下がるため、消化不良や下痢を起こしやすくなっています。
前日の暴飲暴食は避け、当日の食事は極力軽めにしておきます。
当日の朝は、セロトニンの元であるトリプトファンが多く含まれる、牛乳やヨーグルト、バナナなどがお勧めです。
ゆっくり良く噛んで食べ、本番2時間前には済ませておきましょう。
緊張すると喉の渇きを感じる人が多いと思いますが、人によってはトイレが近くなったり、下痢を起こしやすくなりますので、水分は摂りすぎない方が無難です。
まとめ
あがり症は遺伝や性格的な問題であり、改善が不可能であると諦めてしまうのは、非常にもったいないことです。
乱れた食生活を見直し、積極的にセロトニンを増やすようにすることで、心を落ち着かせ、緊張や不安をコントロールすることが可能なのです。
ストレスや不安に負けない健康で強い心と身体を作るためにも、日頃から栄養のあるバランスの良い食生活を心がけましょう!