重度のあがり症だった方でも、レッスンを重ね、声や手足の震えが改善されてくると「何を話していいかまとまらないから緊張する」「話(のまとめ方)が上手くなりたい」という声が上がってきます。
そんな時に日頃からブログや日記を書いたり、ネタ探しのアンテナを張っておきましょうとアドバンスのテキストでも紹介されています。
ところが書き慣れない方は、練習でさえも何を書いていいやら詰まってしまうありさまではないでしょうか。
ツイッターやフェイスブックが誕生したころ「誰が他人のつぶやきなんか読みたいものか?」と話題になりました。
こんなこと書いて面白いだろうか?と気にしすぎるのがあがり症ならではかもしれませんが、それ以前に「今から何しようかなあ?」などという本当に単なるつぶやきでは、読む人は返しようもなく、からみづらい内容です。
「今日のランチ、おいしかった」という内容のブログを書いたとしましょう。あなたがアイドルか、よほどランチに詳しい食べ歩き評論家でない限り、読んだ人は「ふーん」で終わってしまいます。リアクションの悪さにあなたは余計に後悔して夜も眠れないかもかもしれません。
それを克服するためには「ふーん」で終わらせない、読んでいて面白い、なるほどな、と考えさせられる話題にすることが必要です。「動物園が楽しかった」という自分の感想文ではなく、「動物園の楽しみ方」になるとぐっと変わってきませんか?何らかの意見や情報が盛り込まれて、「いいね!」を押したくなります。
それでも書くことが苦手な人は、そんな意見や情報を盛り込んだ話題が日常に起こらない、というかもしれませんね。あなたの職業、あなたの住んでいる街、あなたの好きなもの、何でも他の人には新鮮です。誰もが知っている動物園だって見方を変えれば新鮮な話題が提供できるくらいですから。テーマは何でもいいのです。ご自身のお仕事でも、趣味でも、シタシキナカでも。
そしてもう一つ、ブログを書くことの本当の意味でもありますが、興味深い話題をブログで提供する人にはきちんと目的があるということです。靴屋さんのブログなら靴に興味を持って欲しい、子育て支援をしている方のブログならママ達の悩みを解消したいという目的があります。
今ブログの話題探しをしている人の目的は「スピーチで話題に困らないための練習」になっていませんか?読む人にこうなって欲しいという思いは込められていますか?
スピーチはプレゼントと同じで、渡す相手のことを考えてこそだと思います。
ここまでのコラム、「書く」を「話す」、「読む」を「聴く」に置き換えて、もう一度ご自身の普段のスピーチ内容を振りかえってみてくださいね。
from :野村純子