あがり症講座で学んだ「人前であがらず話す方法」 あがり症の克服なら一般社団法人あがり症克服協会

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あがり症講座で学んだ「人前であがらず話す方法」

マイクを持つ手

2015.11.02

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私は子供の頃からのあがり症で、人前に出ることは極力避けて通るような人見知りの強い子供でした。幼稚園の頃、学芸会でクラス演奏会をしたのですが、私だけがハーモニカを口にも当てず緊張で固まったまま何もしないでいたことを微かに憶えています。それが私の「あがり症としてのデビュー」だったような気がします。

その後小学校に上がると学校が音楽指定校だったため6年生の時、引っ込み思案な私を心配した担任の先生がプラスバンドのシンバルに抜擢して下さいました。音楽はあまり得意ではありませんでしたが、練習には真面目に参加し、名古屋の栄に当時あった愛知文化講堂でプラスバンドの演奏をしました。しかし最後の晴れの舞台である名古屋祭りでのプラスバンドでのパレードは、体調を崩し欠席してしまいました。これも今思うと出ておけばよかったと少し後悔がありますが「あがり症」の緊張から逃げたい気持ちがどこかにあったのかもしれません。

その後社会に出てからも基本的には変わらず、あまり人と話をしなくて良い経理という職業を選んだのも数字に比較的強かったこともありますが、やはり不特定多数の人と話をすることが苦手であったことが大きな要因でした。

そのように人前で話をすることを極力避けてきた私でしたが、社会に出て二十年余り経つと人前で話をする機会が会社内でもあり、また人前でうまく話ができる人に対する憧れのような気持ちも出て来ていました。

その時目にしたのがNHK名古屋教室での「あがり症・話ベタさんのためのスピーチ塾」でした。話し方教室には以前から興味があり漠然と習いたいと思っていましたが、そのタイトルがあがり症に特化していて興味を惹かれ2011年1月に入会いたしました。

NHK名古屋教室は第2と第4日曜の月2回ですが、最初の頃は授業が近づくと今日は休んでしまおうかと弱気な気持ちになったこともありました。しかし自分で決めたことでもあり、あがり症を克服したいと思う一心で通いました。

そして入会して半年後の6月のフェスに誘われるまま出場しましたが、それが終わった頃には緊張はするものの最初とは違い少し落ち着いて話ができる自分がいました。またその頃から授業が終わった後、スピーチ塾の仲間たちと一緒に食事をするようになり、長い間生徒として通うことが出来たのも、そのアットホームな雰囲気が要因だと思います。

私もできるだけイベントには積極的に出席して、フェスには計5回、そして秋のP-1には計3回参加させていただき、新年会や10周年記念のパーティーなどにも参加して参りました。

しかし授業のフリースピーチでも話したことがありますが、入会3年位を目途にスピーチ塾を辞められる方も多く私もこの1年半ほど前から、どこで区切りを付けようか暗中模索の状態でした。

その時あがり症克服協会が設立され、現在のベーシックコース、アドバンスコース、インストラクター養成コースが整備され、当初は、正直言うと金額も高く受講することにためらいがありましたが、ほぼ同期の仲間が受講する姿を見たり、また自分の一段のステップアップを考えた時に興味が湧き、目に見えぬ糸に引っ張られるように今年の5月から短期間で東京の銀座教室まで行き、インストラクター講座まで受講いたしました。

長々と経緯をお話ししてしまいましたが、この協会に入会し色々なことを学んだ中で自分にとって印象的だと感じたことは、「笑顔の大切さ」ということです。あがり症の方には多いと思いますが、人見知りもあって笑顔が自然と出ずに、無表情でそっけない態度をとってしまいコミュニケーションが上手くいかないという方が多いような気がします。

私もその一人で、若い頃も「もっと笑顔を見せなきゃだめだ」と言われたことがあり、後になってその重要性がわかるようになって来ましたが、特に実感としてそう感じたのはスピーチ塾に入り、人の話す姿や自分の姿を見るうちに、笑顔というのが、まずどんな雄弁さにもまして重要であることがわかって来ました。

余談になりますが、「附子」という言葉をご存じでしょうか。「附子」は「ぶす」と読みますが、これは植物のトリカブトの塊根のことだそうです。トリカブトの塊根には猛毒であるアルカロイドが含まれており、誤って口にすると中枢神経が麻痺し無表情になるそうです。その無表情の様態から転じて醜い顔を「ブス」というようになったと言われています。

つまり顔の造作でなく笑顔のない無表情の状態は醜く、逆に笑顔のある人は美しいということだと思います。私はまだまだ自然に笑顔を出すことはできませんが、少しでもコミュニケーションを向上させ、人間関係を広げるべく笑顔を出していきたいと思っています。

そしてつらい時は次の言葉を心の中で唱えていきたいと思っています。「つらい時ほど口角上げて、人生笑顔で過ごしましょう」と。また自分だけでなく周りの皆さんの笑顔も増やしていけるような人間になりたいと思います。

またもう一つあがり症講座で学んだことは「演じること」の重要性です。あがり症講座はその人の根本の性格を変えるものではありません。腹式呼吸や、ストレッチなどで緊張を緩和したり張りのある声を出す技術を身に着けたり、また場慣れにより、その人の抑圧を取り去り、その人本来の能力を引き出させるものです。

あがり症の中には講座を受けたら自然と大きな声でしゃべれるようになると考えている人もあるでしょうが、私のように本来内向的な人はテンションが落ちた時等は、やはり人前でしゃべるのは億劫になるものです。ただ人前に立つような時に気持ちを切りかえて「演じる」ことに徐々にストレスを感じられなくなればそれで良いのです。このことも私が学んだことであり、今後機会があれば講座でもお話ししていければと思います。

まだまだ私自身勉強をしていかなければならない部分が多々ありますが、人前で話ができるようになったのは、理事長はじめ協会の先生方、そしてスピーチ塾での受講生仲間との交流があったからだと感謝しております。本当に有難うございました。

from : 深見 茂

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