あがりは生き物である~あがりを抑える10項目 あがり症の克服なら一般社団法人あがり症克服協会

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あがり症克服コラムColumn

あがりは生き物である~あがりを抑える10項目

あがり症は生き物である

2015.11.02

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私の人生の中では“あがり”というものは、常に大きな壁となって立ちはだかる、ある種の「生き物」のようです。話すことだけではなく、いろいろな行動やパフォーマンスを行う際に必ず厚い壁となって邪魔をします。

学生の頃は、得意な授業では先生の顔を見ながら授業を受けますが、不得意でわからない授業では常に下を向いていて“当たらないように!“と祈る思いでした。完全にこれは自分の中で”あがって“いるのです。しかし、みんな同じ思いをしているかもしれませんが、各々のやり方でなんとかリラックスをしようと努力をしてきました。その頃の私は、子どもながらにどうしていいのかわからない。すがるような思いでした。

これはスポーツでも音楽の演奏でもあらゆるシチュエーションにおいて生じることで人間の持って生まれた宿命と言っても過言ではないと思います。スポーツではあがり(緊張)を吹っ切るために、大きな掛け声を出したり、スタート前にはストレッチをして緊張したカラダをほぐしたりします。みんなそれぞれのリラックスする方法を持ち“あがり”を克服しているのです。

さて社会人になってからは、最初のうちは人前で話すことはなかったのですが、役職が付いてくるとだんだん大勢の前で話さなければならなくなりました。特に、自社の社員の前ならまだよいのですが、他の場面での挨拶等は緊張度も最高です。こうして数々の失敗を繰り返しながら約30年間サラリーマン時代を過ごしてきました。ただ、このころになると失敗しながらでも場数を踏んでなんとか壁を乗り越えてきましたが、なんとなくただ“誤魔化してきた”ような感覚で終わっていました。

そんな折、予想もつかない自分の人生の一大危機がやってきたのです。しかも、その得意の“誤魔化し”が利かない世界に飛び込んでしまいました。私にとってかつてない恐ろしいモンスターとなってやってきました。

いつも街角で選挙の街宣運動・演説を何気に見ていて、自分には関係ない世界だと遠目に見ていたのに、まさかその当事者になるとは思ってもみませんでした。たしかに会社を退職したら一度は議員職というものを務めて、地域に貢献したいと思っていましたが、52歳で電光石火のごとくこの世界に入ったのは、これも運命。ただ、それまでの経験である程度人前で話すのは大丈夫!と中途半端な自信を持っていたのも事実です。

しかし、議員就任後すぐに、見事にその自信は崩れ落ちました。”あがり“というモンスターはまだまだ私の中で生きていました。ある、地域の老人会の「春のお花見祭り」の来賓で招待されたのですが、1名祝辞を言うはずの議員が欠席し時間があるので、祝辞を言うはずのない私に突然マイクが回ってきました。その時私の頭の中は”真っ白“でした。いったい何を話したのか、なんの来賓なのかもわからないような状態で最悪の挨拶となってしまいました。「5分ばかり祝辞を」なんて咄嗟に出来るものじゃないです。

本当にその夜は恥ずかしいですが、泣けてしまいました。情けない。市長、議長、私の順でマイクが回りましたが、後から冷静に分析すると、先に二人の挨拶の中でだいたいの話すネタは出てしまっていたので3人目としては不利だと。ですから教訓としてはその場合は全然違う角度からネタを持ってくると良かったのかもと、自分なりに反省しました。

それからというもの、議員としての最大の見せどころである、委員会や本議会での一般質問については私なりにいつも以下のことに注意して話すよう心がけることにしています。

1、声量

2、間合い

3、姿勢

4、視線

5、服装

6、時間配分(有効に持ち時間を使っているか?)

7、簡潔・明瞭か?

8、原稿の内容(データ収集度・前調査や聞き取り・裏付け)

9、全体の答弁はかみ合っていたか?

10、最終的な落としどころは的確だったか?

客観的に見て各項目10点で100点満点とし、自分も含め他の議員の発言も採点するようにしています。そうすることで自分の出番までに少しでも“あがり”や“緊張”から逃れ、自分なりにリラックスの方法を覚えました。また今では、何か挨拶やトークする前には「外郎売り」を発して滑舌を良くするようにしています。

最近では私の中で気になる“あがり”はゴルフだと感じています。このスポーツは自分との闘いであり、いかにあの球を打つかに集中しなければならないのですが、どうも初対面のメンバーとプレイすると必ずスコアが乱れてしまいます。いつものメンバーですとゆったりとしたプレイが出来ますが、そうでないとなぜか力んでしまい普段のプレイが全く出来ず自滅するパターンです。ティーグランドに立ったときからショットを放つまでのルーティンな動作は実は微妙に“あがり”を抑える効果があると言われています。今は意識的に出来るだけ初対面の方たちとプレイするようにしています。

“あがり”はこのように奥が深いです。自分だけではどうすることも出来ないし限度があります。しかし「あがり症克服協会」にお世話になってからは本当に基本からの克服方法を知ることが出来ました。呼吸法や発声トレーニング、滑舌トレーニングは理に適っています。早く自己流から脱却し、日々のレッスンの積み重ねをすることで“あがり”をなくしていくことが可能だと思います。決してあきらめず、TPOに応じた話が出来るように、これからも努力していきたいと思います。

from : 山本克巳

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