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HSP型あがり症がラクに生きるための5つのポイント

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2022.08.02

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一般社団法人あがり症克服協会 認定講師 宮松 大輔
心理カウンセラー
NHKカルチャー話し方講師
 
 
 
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目次
1.HSP型あがり症とは
2.HSPの4つの特性
3.HSP型あがり症がラクに生きるための5つのポイント
4.あがり症と対人恐怖症とHSPとの関係
 
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あがり症克服講座
 

Mirror, mirror on the wall…
Who’s the fairest of them all?
「鏡よ鏡…、世界で一番美しいのはだあれ?」

My dear, you are the most fair. Your face and look are beyond compare!
「ご主人様、それはあなたです。他と比べものにならないほど!」
~白雪姫より~
鏡

1.HSP型あがり症とは

白雪姫の有名なセリフ。こう言われて嫌に思う人はいないでしょう。
自己肯定感を高めることは自分に自信を持つためにとても大切ですね。

さて今回は『あがり症の人の中にはHSP気質を持つ人がいる!』というお話です。

些細なことを気にしすぎてしまう
人に会うと気疲れして家に帰ったあともひどくぐったり
小さな失敗をいつまでも引きずってくよくよしてしまう
ちょっとしたことでストレスをためがち
「神経質」、「臆病」、「引っ込み思案」

・・・こういった言葉を聞くと自分の心の中のコンプレックスが発動される方は、
もしかしたら、HSP(Highly Sensitive Person)の気質があるかも知れません。

もしあてはまるとしたら、あがり症克服のためにはHSP気質への対処も同時に行うことで
あがり症状が劇的に改善されていく可能性があります。

「Highly Sensitive Person」とは直訳すると「非常にSensitiveな人」という意味です。

・・・直訳と言いながら「Sensitive」は英語のまま残しました😊

「Sensitive」はHSPを語るときに「敏感」と訳されることが多いですが、
その他にも「繊細」や「感受性が強い」、「感じやすい」、「神経が鋭い」などの意味があります。
「敏感」という意味だけではピンと来ない人も、その他の意味では「あてはまるかも…」という人、
ぜひこのコラムを最後まで読んでみてください。

2.HSPの4つの特性

このHSPは、1996年にエレン・N・アーロン博士が提唱した概念ですが、
最近急にその知名度があがり注目を集めています。
NHKをはじめ民放などのテレビでも題材として取り上げられることが増えています。
TBS系列で繊細な女の子が主人公の『凪のお暇』というドラマもありました。
お茶を飲む女性

アーロン博士によると、HSPには「DOES(ダズ)」と名付けた4つの特性をすべて満たすことが、
HSPの定義となっています。

①【Depth of processing】
「考え方が複雑で、深く考えてから行動する」

・一を聞いて、十のことを想像し、考えられる
・調べ物をはじめると深く掘り下げ、その知識の広さを周りに驚かれる
・お世辞や嘲笑をすぐに見抜いてしまう

②【Overstimulation】
「刺激に敏感で疲れやすい」

・人混みや突然の大きな音が苦手
・友達との時間は楽しいものの、気疲れしやすく帰宅すると、どっと疲れている
・人の些細な言葉に傷つき、いつまでも忘れられない

③【Empathy and emotional responsiveness】
「感情的反応性・高度な共感性」

・人が怒られていると自分のことのように感じ、傷ついたり、お腹が痛くなったりする
・悲しいドラマや本、ニュースなどの人物に感情移入し、自分も傷ついてしまう
・人のちょっとした仕草、目線、声のトーンなどに敏感で、機嫌や考えがわかる

④【Sensitivity to subtleties】
「あらゆる感覚がするどい」

・冷蔵庫や時計、冷暖房器具などの音が気になってしまう
・近くにいる人の口臭や体臭、タバコの臭いで気分が悪くなる
・第六感がはたらき、よく当たる
スピリチュアル
 

人口の約20%はHSPと言われています。
ただ、このHSPは病気ではありません。
病気だとすると「人口の約20%」は多すぎますよね😊


HSPは生まれながらにしてその人の神経が持つ特性です。
「血液型がA型」というのと同じくらい、ひとりひとりの体が持つ特徴を表しているに過ぎません。
同じ刺激に対してもどれくらい神経システムが高ぶるかは個々人によって差があるのです。

人間だけではありません。
小さな虫、魚、鳥、ねずみ、ネコ、イヌ、馬、猿など、100種類以上の動物に同じ気質が見られているそうです。

このことから「敏感さ、繊細さ」は生物が生き残るために必要な本能のひとつであると考えられています。

ただ、この気質を持つがゆえに、職場や家庭など生活の中で気疲れしやすく、生きづらいと感じている方が今増えています。
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3.HSP型あがり症がラクに生きるための5つのポイント

さて、遅くなりましたが、私もHSP気質を抱えています。HSP型あがり症です。

「気にしすぎじゃないの」はこの人生で何人に何回言われたか数えきれないくらいです。
「気にしすぎじゃないの」「震えているよ」のダブルパンチはなかなか効きました。

長らく生きづらくて仕方ありませんでしたが、
このHSPという概念に出会い、自分の気質を認めて生き方を工夫することで
あがり症を克服すると同時に今では自分がラクに過ごせるスタイルを身につけました。

そんな私の経験の中から実際に効果のあった
『HSP型あがり症がラクに生きるためのポイント』
を5つお伝えします。

5つの手をする女性


【HSP型あがり症がラクに生きるための5つのポイント】

①ストレスはブロックする

いきなりですが、これは効果絶大です。
ストレスの元になるもの自体をブロックしましょう、という考え方です。
例えばスマホ。
ちょっとニュースを見ればいい情報もあれば自分が見たくもない情報も入ってきます。
特に怒り口調であったり他人を批判するような記事ばかり目の当たりにすると、
頭がおかしくなってきます。
そんなときは記事を非表示にする、あるいはスマホ自体手放してどこかに置いておくようにします。
急な電話には出ないといけないので、着信音は出るようにしておきます。
テレビも同じですね。
つい惰性でつけてしまったり、いじってしまったり、自分の近くにあるとしてしまいます。
「誘惑に弱い自分がいる」と認めることで、それらを手放し自分を守ることが出来ます。
何もかもにできる対策ではありませんが、
できるものだけにでもそれだけストレスが少なくなるので大変効果的です。
デジタルデトックスとも言います。
デジタルデトックス
 

②簡単に達成感が得られることをやる

HSPとうつは似て非なるものですが、HSP気質の人はうつになりやすい傾向があります。
HSPが持つ「考え方が複雑で、深く考えてから行動する」という特性。
この中の「行動する」というアクションがなかなか出てこなくなると危険信号です。

自分の世界に閉じこもってしまって、INPUTもOUTPUTもなくなる状態。
思慮深いというのはものすごく大切な特性ですが、
うつになることは避けなければなりません。

そのためには、簡単に行動出来て達成感が得られることを行うとよいです。
例えば、1日20分と決めて歩く、自分が手の届く範囲のクイズやパズルを解く。
これらは深く考えなくてもできることです。
花が好きな人は花を買って毎日水をやり成長を楽しむのもいいでしょう。
特におすすめなのは掃除です。時間があるときは大掃除をするのが最高におすすめです。
見た目がスッキリすると心もスッキリするものです。
あまり勝ち負けが伴わないことをする方がいいです。
負けると落ち込みやすい人は余計ストレスがたまる場合もありますので要注意です。
ストレス
 

③過剰に共感しない

HSPは他人に深く共感しすぎて自らもひどく疲弊してしまう特徴があります。
相手に同調して、その場では「喜んでくれたからよかった」と思いつつも、
心身ともに無理をした結果心が病んでいってしまうことがあります。

『本当は嫌だ、乗り気じゃない、本音では断りたい。
だけど、空気を壊すのが怖くてそれができない。』
こういう思考パターンがある人です。

良心的であり他人に寄り添い深く思いやることが出来る人ほど、この「共感性」は高く
その反面周囲の人の気持ちに左右されやすいというデメリットも抱えています。

これは自我の境界線が薄いことが原因です。

自分が生きやすくなるためには、少しずつでも自分の感情を主張していくことです。
食事で食べたいもの、行きたい場所。
そして聞き入れてもらえたときは必ず相手に感謝することを習慣にしましょう。

それでも最初抵抗がある方は、相手がテレビの中にいると思って話してみてください。
自分と他人の距離が感じられる方法です。

主張が受け入れられるとそれが成功体験となります。
積み重なると、とてもラクになってきます。

 

④よい睡眠をとる

睡眠
ストレス解消というとアクティブに動くこと(汗をかいたり、大声を出したり)
というイメージがあるかも知れませんが、それだけではありません。
「静」でいることでストレス解消になることもあります。
HSPは毎日人一倍たくさんの情報と刺激を受けとっていますので、
常時脳内がフル回転している状態です。
そのため、頭の中を整理する時間を作ることが心身のリラックスを保つためには大変重要です。

一番簡単に頭の中を整理する方法が、睡眠をとることです。

人は毎日何千という情報を取り入れていると言われていますが、
どの情報を覚えておくべきかを脳が選択するのは睡眠中なのです。
脳の中では、その日に学んだ情報が睡眠中に短期記憶から長期記憶に移動されていて、
すでに長期記憶に入っている記憶も再度検討され、しばらく活性化されていない情報は削除される
というメカニズムがあります。

一番の理想は、眠くなったタイミングで眠ることですが、
仕事などでそうもいかない場合もあるでしょう。
少なくとも、夜寝る直前までスマホを見っぱなし等、
自ら睡眠の障害となる行為をすることは避けて、
「今日は頭がいっぱいで疲れた」と感じたときこそ早めに眠る習慣にしてみてください。

次の日の朝、思いのほかスッキリした頭で目覚めることができたとしたら、
それは睡眠不足により頭の中が整理されていなかったことがストレスの原因です。

睡眠時間を削ってまで好きなことをやり続けることが、
ストレス解消の逆効果となる場合がありますので、
最近イライラすることが多くなっていると感じている方は
ご自身の睡眠を見つめなおしてみてください。
睡眠
 

⑤会話する

人見知りで雑談が苦手なHSPに何を言う・・・と思われるかも知れませんが、
何も苦手な人と話すことを勧めたり、
誰とも満遍なく話せるようになりましょうというわけではありません。

会話はしなくても、メールやSNSでやりとりできる時代ではありますが、
それらは基本的に一方通行のメッセージを繰り返しています。
自分の番のときは自分のペースで書きたいことを考えたり、
自分が書いたことに対して相手がどう思うかを考える時間があって、
最終的に自分で自分が書いたことに「OK!」を出せたら、相手に送信します。

ここには一つ落とし穴があって、いいも悪いも自分中心になっています。

HSPの場合は、自己主張が強くなりすぎるというよりかは、
相手がどう思うかを考えすぎる時間が長くなってしまうことが問題です。
これに対して会話は、相手がどう思うかを考える時間はメールを書くよりは長くありません。

メールは相手から邪魔されずに書くことができる分、そのときはラクなのですが、
相手の反応を気にしすぎた考え方に拍車がかかり、
より一層人付き合いに疲れてしまう結果になってしまうことがあります。

話しやすい人でよいです。直接会えなければ電話でも、最近ではビデオ会議でもよいでしょう。
会話は文字だけでなくて、表情や声のトーンも伝わります。
あなたが隠そうとしても隠せない喜怒哀楽の感情が伝わります。
その感情をくみ取った相手の反応があります。これはメールのやりとりではありえない展開です。

そうすると、あなたもあなた自身の感情や考えを整理することができます。
自分にウソをつけないということです。
それが悩み解決や人間関係のストレス解消につながっていきます。
気持ちを打ち明ける女性

4.あがり症と対人恐怖症とHSPとの関係


あがり症は対人恐怖症と言われることもあるとおり、広い意味での対人関係の悩みです。

大きく分けると「あがり症」は大勢の人前での対人関係での悩みであるのに対し、「HSP」は人数が少なくても(1対1でも)悩みがあることがひとつの違いです。


この「1対1」の対人関係の悩みを克服できないままでは、なかなか大勢を相手にする対人関係の悩みを解決することはできません。


HSP型あがり症かも・・・と思った方はぜひ今回の5つのポイントでまずは自らがラクに生きやすい対人関係を築くように心がけてみてください。

 

さて、ある日、鏡の答えが変わりました。

Mirror, mirror on the wall…
Who’s the fairest of them all?
「鏡よ鏡…、世界で一番美しいのはだあれ?」

My dear, you are the most fair here, but Snow White is a thousand times more fair than you!
「ご主人様、ここでは、あなたが一番美しい。けれども、白雪姫は、千倍も美しい!」
~白雪姫より~

空気を読んだ答えではなく本音なのでしょう。
この時点で鏡はHSPではない(HSPであることに苦しんでいない)と言えます。
しかしこの一言をきっかけに、白雪姫はたいへんな苦労をすることになってしまいました。
もしあなたが魔法の鏡だったら、どう答えますか?

白雪姫のシルエット

何が正解とかはありません。一言で表す必要もありません。
顔色をうかがうだけでなく、
王妃への思い、白雪姫への思いを、あなたなりの言葉で丁寧に表現することができたら
それが正解です!

思いやりはHSPが持つかけがえのない長所です。
あなたの敏感さは欠点ではありません。

 

■HSPを克服し毎日をスッキリとした気持ちで過ごすために役立つ本のご紹介

『人間関係で「うまくやる人」と「つらい人」の習慣』
監修…一般社団法人あがり症克服協会
著者…宮松大輔(daisuke)

周囲の目が気になり、上手に自分を表現できない…。
著者の実体験をもとに、人間関係が楽になるための習慣を伝授します。

人間関係で「うまくやる人」と「つらい人」の習慣
 

※あがり克服に取組みたい方への講座ご案内※
あがり症克服講座
 

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宮松大輔
この記事を書いた人
宮松 大輔(daisuke)
一般社団法人あがり症克服協会 認定講師

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