あがり症の始まり。
あの時のことを、今でも鮮明に覚えています。
高校に入学してまだ3週間の現代文の授業の時でした。
先生が「丸山さん、教科書の○ページを読んでください。」と言いました。
その時、今まで経験したことがないような息苦しさと、頭が締め付けられるような感じに襲われました。
小さな声を出すのがやっとで、3行程読みましたが、苦しくてその場に居たたまれなくなり、保健室に逃げました。
これが、私のあがり症の始まりでした。
それ以降、自分が教科書の音読に当たりそうな日は、学校を休んだり、保健室に逃げたりしました。
最終的には、学校にも行けなくなり、中退しました。
今思えば、常に他人から見た自分というものを意識していたり、人前ではうまく話さなければいけない、という思い込みにとらわれていたりしていたのだと思います。
これは完全に「自意識過剰」と「ええかっこしい」ですね。
治療に関しては、様々なことをしました。
心療内科に通院して薬を飲んだり、心理カウンセリングをしてもらったり、自助グループに参加したりしました。
しかし、多少の効果はあったものの、根本的な解決には至りませんでした。
そして出会ったのが、あがり症克服協会の講座です。
「逃げないこと」が出発点!
あがり症克服に関して言えば、自分が苦手とすることに、勇気を出して飛び込んでいくしか方法はないと思います。
別の言い方をすれば、逃げないということです。
これを認知行動療法では「暴露」といったり、森田療法では「恐怖突入」と言ったりもします。
でも、いきなり苦手なことをするのは気が引けますよね。
そのための練習として、あがり症克服協会の講座はためになりました。
何回も練習し、場数を踏むことによって、スポーツをやってだんだん上達していくような感じで、人前で話す力が目に見えてついていくのがわかりました。
あがり症克服協会の講座は、当たり前ですがあがり症の方しか来ません。
そこでふと思ったのです。
同じ悩みを持ち、苦手なことを克服しようと一生懸命努力することって、とても素晴らしいことだと思うのです。
普通だったら苦手なことからは、目を背けたくなりますよね。
そこをあえて、苦手なことに真正面から向き合うのって、とても真面目で向上心があり、良い性格だと思いませんか。
きっとあがり症の方は、「あがり」という鎧を取れば、ダイヤのようにキラキラと輝きだすと思うのですよね。
そのダイヤの原石探しのお手伝いができればいいなと思っています。
丸山 大樹