1.「あがっても大丈夫」と思うとあがらない
あがり症克服協会の講座では、初めに皆さんに自己紹介をしていただきます。
その際、「今日はあがり症講座ですから、皆さんバッキバキにあがっていただいて大丈夫です!」と、受講生の方に「魔法の言葉」をかけます。
その後、セルフチェックをしていただくのですが、普段の「緊張・あがり」「10」だとすると、概ね「5~6」ぐらいに半減しています。
「会社で話すのと比べて相当楽でした」とおっしゃる方がほとんどです。
「よく知っている人の前で話すより、まったく知らない人の前で話す方が楽」という人の方が多いことからもわかるように、「人前が苦手だということを悟られたくない」と思う状況の方がより緊張感が増すわけです。
2.「弱点を知られたくない」関係性が続く間柄の方が緊張する
さらに会社などでは、プレゼンや面接の受け答えの出来でその後の評価が決まるわけですから、プレッシャーがかかって当然です。
まったく赤の他人より、仲良しのママ友の前での保護者会での自己紹介の方があがるというのも理由です。
その場限りの関係より、その後も付き合いが長く続く関係の方が、より弱点を悟られたくないという気持ちが強くなります。
よって、あがり症で悩む人は、大事な場面で「緊張しないように」と力んでしまうのです。
「今からレモンのことだけは考えないようにしてください」と言われると、それだけで口の中が唾液が溢れてくるのと同様に、「緊張しないように」と念じることは、逆効果です。
「考えないように」と思うと考えてしまうこと、これを心理学で「抑制の逆説効果」といいます。
3.あがらない究極の方法
ではどうすればいいのでしょうか。
「緊張できるなんて幸せ」と思うことです。
人がいてくれるから「人前」です。
貴重な時間をさいて、あなたの話を聞こうとしてくれています。
誰かに何かを発信できる。
誰かの役に立てる。
生きていくうえでこれほど幸せで、名誉なことはありません。
これまで6万5千人以上のあがり症の方を指導させていただいて、いつも思うのは、
「あがり症で悩んでいる方は、一般の方より症状が酷いからではない。世の中に人前で発信することを必要とされている人である」
ということ。
スピーチにしろ、プレゼンにしろ、誰かに求められなければ、そんな機会はありませんから。
そしてさらに、「それに応えたいと真摯に向き合おうとされている方」だということ。
そんな方が正しいあがり克服方法を学び、努力すれば、必ず上達できます!