一般社団法人あがり症克服協会 代表理事 鳥谷 朝代
株式会社スピーチ塾 代表取締役
人見知り克服協会 代表
心理カウンセラー
NHKカルチャー/朝日カルチャー/よみうりカルチャー
中日文化センター/リビングカルチャー話し方講師
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あがり症や緊張、人見知り―それは多くの人が一度は経験することです。
心臓が高鳴り、手が震え、緊張のあまり声がかすれたり震えたりすることも。
私たちは時に「これは生まれつきの性格だ」と諦めがちですが、本当にそうでしょうか?
遺伝が全てではなく、実は私たちの周囲の環境や育ちが大きく影響していることも少なくありません。
日本の文化的背景や家庭環境がどのようにしてあがり症や緊張、人見知りの思考パターンを形成していくのか、その実態に迫ります。
目次
1.環境があがり症の思考パターンをつくる
2.何歳になってもあがり症は克服できる!
3.まとめ
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1.環境があがり症の思考パターンをつくる
あがり症で悩む方からよくこんな質問を受けます。
「私のあがり症は生まれつきのものだと思います。
娘も引っ込み思案なのですが、やはり遺伝でしょうか?」
生まれつきの遺伝要素がまったくないとは言えませんが、後天的な要素の方が多いと思います。
たとえば、人前に出ることに対してネガティブな感情を持つ親御さんに育てられた場合、人見知りであがり症になる確率は高まるでしょう。
また、「日本人にはあがり症が多い」とも言われますが、この真偽はどうでしょうか?
一般的に「恥の文化」であり、さらに「集団行動が基本」という環境に育ち、「人と違うことは恥ずかしい」「謙虚であることが美しい」とされてきた日本では、欧米人より人前で発言するのが苦手とされています。
しかし、「最も恐ろしいのはパブリックスピーチ」と答える欧米人も少なくないことからもわかるように、日本のみならず、万国共通の悩み、関心事であるとも言えるでしょう。
人気バラエティー番組「アメトーーク」では、「すぐ緊張しちゃう芸人」という放送回がありました。
私の生徒さんにも芸能人やアナウンサーが多くいらっしゃいます。
あがりとは無縁に思われるようなタレントさんたちも、実は緊張するのです。
人前であがる、緊張することは、決して特別なことでも異常なことでもないのです。
ただ、もったいないことに、あがり、緊張は見た目ではまったくわからないため、多くの人が「こんなにひどいのは自分だけだ」という間違った思い込みをしています。
職場の人や友人、家族にすら打ち明けられず、本人が深刻な悩みを抱えていたとしても、周囲はまったく気づかなかった、というケースも少なくありません。
このように、「あがり症」は人に打ち明けにくい悩みだからこそ、その悩みが深くなっていくという側面があります。
「こんなに緊張する自分は情けない」「人前であがるなんて恥ずかしい」という思いが強くなっていくのです。
これが、あがり症の人に起こりやすいネガティブな思考パターンです。
一方、人前で堂々と話しているように見える人には、日頃の努力やちょっとした心がけ、習慣をお持ちです。
あがりをうまくコントロールできるようになると、本来あがりやすい性質の人も、人前で堂々と話すことができるようになれるのです。
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2.何歳になってもあがり症は克服できる!
私の体験を少しお話ししますと、私は小さい頃から引っ込み思案でした。
親戚の前でも話せず、いつも母親の後ろに隠れているような少女で、実の祖母からも「懐かないから可愛くない」と言われていたとか。
自覚はあります。
無愛想で、感情を表に出すのが苦手で、クラスでも大人しくて目立たない存在。
子供の頃の写真はすべて仏頂面です。
両親はどちらかというと内向的で大人しい人なので、遺伝的にも環境的にも「引っ込み思案で人見知り」になりやすい要素はあったと思います。
小学生の頃、こんな出来事がありました。
家の近所で開催していたお祭りに、地元のテレビ局が取材にきていました。
よくある、地元の子供たちがカメラ前で元気にピースをする光景。
私と妹もその中に混じろうとしたとき、母が私たちの手を引っ張り制止しました。
そのとき私は、「テレビに映ったり、人前に出ることは良くないことなんだ」というメッセージとして受け取りました。
本当は、その後何か急ぎの用事があったのかもしれません。
母自体が内向的なので、ただ単に恥ずかしかったのかもしれません。
しかし私にとっては、35年以上たった今もあの光景を昨日のことのように鮮明に思い出せるほど強烈な体験として刷り込まれたわけです。
中学まで超内向的で人見知りだった私は、このままではいけないと帰宅部を卒業し、高校入学と同時にテニス部に入りました。
そこで、チームメイトと切磋琢磨しながら1つのことを成し遂げる経験をしたのです。
同時に、ケーキ屋さんとハンバーガーショップでアルバイトを始めました。
内向的ながらも接客の基礎を学び、コンテストに出て賞をもらうまでになりました。
こうした「成功体験」により、極度の人見知りを克服しました。
私がこうして人前に出る仕事をしていることを最も驚いているのは母です。
そして、35年前、私の腕を引っ張った「あがり症」の母も、父の葬儀の時、喪主の挨拶を立派に務めました。
葬儀前夜、原稿を書いて一生懸命練習していた姿を、忘れることはありません。
出典元:保育所保育指針 – 厚生労働省
3.まとめ
あがり症や緊張、人見知りを抱えることは決して恥ずかしいことではありません。
むしろ、それは私たちが成長し、自己を超えるための一つのステップであるとも言えるでしょう。
周囲の理解と適切なサポート、そして自分自身が克服したいという気持ちがあれば、あがり症や緊張、人見知りは克服可能です。
重要なのは、自分の感情を素直に認め、必要ならば専門家や信頼できる人々に相談すること。
「こんなことで悩んでいる」のは、自分だけではありません。多くの人が同じ悩みを持ちながらも前に進んでいます。あがり症や緊張、人見知りを乗り越え、自信を持って一歩を踏み出す勇気を持つことが、真の成長への鍵となるのです!