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ピアノ発表会・コンクールで緊張に負けない方法とは?

ピアノ発表会・コンクールで緊張に負けない方法とは?

2022.05.19

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一般社団法人あがり症克服協会 認定講師 宮松 大輔

心理カウンセラー
NHKカルチャー話し方講師

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目次

1.事前準備~当日まで
2.緊張のメカニズム解析
3.準備・普段からの心構え
4.当日の対処法
5.メンタル面での考え方
6.最後に

1.事前準備~当日まで

緊張しやすい人は、ピアノ発表会やコンクールなどで自分が本来持っている力をなかなか発揮することができません。
それは、とてもとてももったいないことです。

本番で力が発揮できないことを繰り返すと、やがて、ピアノ発表会やコンクールなどのキーワードを聞くだけで苦手意識が出てしまい、やる前から負けている状態に陥ってしまいます。
 

あがり症(社交不安障害)の症状

 

既にその状態に陥っている方や、これからそうなってしまうかも…と不安に思っている方、まずは大きく、事前準備から当日までの流れを見直してみましょう。

 

ピアノ発表会

 

① 日程が決まったら
まずは、成功したときのことをイメージして取り組みを開始しましょう。ピアノ発表会がうまくいったら、どんなにうれしいですか。コンクールで入賞できたら、次はどんなことにチャレンジしたいですか?自分がワクワクするようなことを考えてみましょう。

② 全体像の把握
ピアノ発表会やコンクールの概要をつかんでおきましょう。どんな曲がよく演奏されるのか、持ち時間はどのくらいか、難易度はどれくらいがよいのか、などを確認しておきましょう。

③ リハーサル
できるだけ本番に近いシチュエーションで、本番を想定したリハーサルを行います。服装や靴なども本番と同じものを身につけるとよいです。
できるだけ、誰かに聞いてもらい、感想を言ってもらいましょう。あえて、あまりよく知らない人がいるところで演奏しておくのも、緊張への慣れとしてはよい準備です。
出典元:演奏の妨げとなる過緊張(あがり)の軽減について – 辻井 直幸・大西 雅博

④ 前日
お腹にやさしいものを食べて、早めに寝ます。
不安を探してもきりがないので、ここまでやってきた自分を褒めるようにしましょう。

⑥ 当日
早めに起きて、余裕を持って身支度をはじめます。緊張しているときはお腹の働きが弱くなっているので、食事は軽めにしておきましょう。
出かける前には、ストレッチをして体の緊張をほぐしておくとよいです。
コンクールで息を吐く楽器を扱う場合は、腹式呼吸も行っておきましょう。
会場は早めに入ります。渋滞や電車遅延などあることを見越して、早めに家を出ましょう。

 

2.緊張のメカニズム解析

①なぜ緊張がうまれてしまうのか

どうして、したくもないのに緊張は生まれてしまうのでしょうか?
考えてみたら、おかしな現象ですよね。自分がなりたくって緊張するものではありませんよね。

ずばり、緊張とは、自分が持っている力以上のことを出そうとするとき(または、出さなければならないと思うとき)に生まれます。

 

あがり症とは

 

自信がない場面、と言いかえてもよいです。つまり、自分にとって、不安や恐怖が生じるシチュエーションです。

 

不安

 

②緊張のメリット・デメリット

緊張というのは悪いことばかりではないことは、まず認識しておきましょう。

【メリット】

ある程度の緊張感があったほうが、集中力やパフォーマンスは発揮できます。
ミスをしないことが求められる場面では、注意力散漫では努めきることは難しいです。
体の感覚が研ぎ澄まされるので、俊敏な動きが可能になってきます。
また、頭の回転も速くなります。

【デメリット】

行きすぎた緊張になると、声が震えすぎたり、手足が震えすぎたりして、返ってパフォーマンスが悪化してしまいます。
普段持っている力が発揮できない状態になってしまいます。
頭が真っ白になって言葉が出てこない、体が硬直して思うように動いてくれない、などの症状が出ることもあります。

出典元:緊張 ~緊張は和らげることができるのか~ – 長野県教育情報ネットワーク

緊張が全くない状態よりも、ある程度の緊張感があった方がよい結果が出やすいので、緊張を全くなくすことやゼロにすることを目的にするのではなく、ほどよい緊張感に保つことを目指す方がより現実的な対策となります。

 

上を見上げる

 

3.準備・普段からの心構え

①ふだんの練習の中でできる対処法

「練習は、本番のように。本番は、練習のように。」という言葉があります。

練習は本番を想定して集中して緊張感を持ちトレーニングをする、本番は練習のように失敗を恐れずに実行する、といった心構えの事です。

自信をつけるには、練習しかありません。
でも、練習と思って練習すると、どこか気持ちが抜けてしまうことはよくあることですよね。
緊張感のない中でいくら練習を積み重ねても、それは「練習」という場面では上手になるかも知れませんが、本番に対しての練習という意味合いでは、あまり効果が期待できません。特に緊張しやすい人にとっての、緊張対策にはなりません。

 
残念
 

本番の緊張対策として一番いい練習は、できるだけ本番に近いシチュエーションで練習することです。

人前で演奏することに緊張を感じる人であれば、練習のときは人前で練習をすること。時間も本番同様に決めておきます。服装や靴も、本番と同じものを身につけましょう。いわゆる本番リハーサルに近いものを数をこなせばこなすほど、本番のときには「練習のように」できる自信がついていきます。
 

体験エピソード

 

②本番で緊張しない方法【準備編】ー食事/睡眠/運動

前日の食事は軽めにしましょう。
元気をつけるためにと、普段と違って気合の入れた食事をしても、お腹がびっくりしてしまうだけです。
準備で一番大切なことは、いかに普段と同じ状態でのぞめるか、というところなので、食事も普段と同じ、あるいは少し軽めでもいいくらいです。
脂っこいものは控えて、消化の良いものを摂るとよいです。
理想は寝る時間の2時間前に食事を済ませることです。あまり早く済ませすぎて空腹になってもなかなか眠れなくなるので、ほどよくお腹に満たされた状態で寝床につけるようにしましょう。

出典元:快眠と生活習慣 | e-ヘルスネット – 厚生労働省

 
安眠
 

次の日が本番だと思うと、なかなか寝付けないこともよくあります。
できるだけ体をリラックスさせるとよいので、お風呂に入ったりシャワーを浴びたりするのは効果的です。
また、スマホやテレビなど目や脳に刺激的なものは、睡眠の妨げになると言われているので寝る前はやめておきましょう。
しかし、いくらそういう努力をしても目がさえてしまう事もあります。
そんなときは開き直ってずっと起きていようって思った方が、精神的にはよいものです。無理に「早く寝ないと!」って思う方が気になって余計寝られなくなるものです。

もし日中時間があるときは、軽めの運動をしておきましょう。
体が適度に疲れていると、睡眠に入りやすくなります。
ジョギングしたり早歩き気味の散歩したり、自転車に乗ったり、少し汗ばむくらいの有酸素運動がよいです。

 
自転車
 

4.当日の対処法

①本番当日の緊張に対する対処法

当日はなるべく早めに会場につけるように動きましょう。
既にたくさんの人たちがいる会場にあとから入っていくと、それだけで気後れしてしまいます。
他の人たちより先に会場に入ると、気持ちに余裕が生まれます。

始まるまでの間は、じっとしているとついつい自分のことばかり(しかもネガティブなことばかり)考えてしまうので、周りに人がいて話せる状況であれば、積極的に話しましょう。
どんなに準備・練習しても、不安がゼロになることはなかなかありません。緊張して当然です。
不安になったら、ここまで準備・練習してきた自分自身をほめてあげてください。
あまり結果にばかり目を向けると、緊張が増してきます。

ストレッチを行って体をほぐしながら、腹式呼吸で緊張をしのぎましょう。

リラックスした体づくり

 
腹式呼吸
 

②本番で緊張しない方法【本番編】ー意識を自分以外に向ける/ルーティーンを使う

他の人たちが演奏しているときは、しっかりと集中して演奏を聞きましょう。
そうすると、待っている間の緊張が下がっていきます。
緊張は、自分の緊張にばかり意識を向けていると、さらに緊張が強まってしまうという特徴があります。
先に誰かが演奏していたら、しっかりと演奏を聞く方が緊張は下がるのです。

なるべく平常心を保つ方法として、自分なりのルーティーンを行うという方法があります。
ルーティーンとは、決まった一連の動作のことです。
毎回同じ動作を行っていると、自分のペースを保つのに役立つと言われています。
例えば、いつも緊張して猫背になってしまう人は体を大きくのけぞってから遠くを見るようにするとか、手の動きが固まりやすい人はグーとパーを5回繰り返してから楽器にさわってみるとか、自分の悪いクセを矯正するような仕草をルーティーンにするのも一つの手です。

出典元:ルーティン動作が非アスリートの集中力と作業精度に及ぼす効果 – 山口県立大学

 
グーパー
 

5.メンタル面での考え方

①メンタル面(考え方)での対処法

繰り返しになりますが、「本番は練習のように」という考え方が緊張を増大させないためには効果的です。

これは、チャレンジを恐れないことと、結果を恐れないことにつながります。

本番とは言いかえれば、一番経験値を稼げる舞台でもあります。
もちろん、結果が欲しいこともあるでしょう。
しかし、結果に捉われると、返って自分の力は発揮できないものです。

一番欲しいのは結果だとしても、そのために必要なのは、普段の自分の力をいかに発揮するかです。
だから、どうすれば自分の力をフルに発揮できるかを最優先に考えましょう。
結果はあとからついてくるもの。

これまで練習してきたことや気をつけてきたことを着実に実行することに集中して、もっともっと上手になるための練習の場と思って、演奏するとよいです。

 
吹奏楽
 

6.最後に

全く緊張しないよりも、緊張を味方につけた方がよりよいパフォーマンスが生まれます。
だから、緊張することは決して悪いことではなく自分にとってよい方向に持っていくことができます。
やってきた緊張を嫌うことなく、お伝えした方法でコントロールすることで、本番という舞台でもいい結果を出すことができるのです。

理解できたら、あとは実践あるのみです。

ストレッチや腹式呼吸、人前に慣れていくことは頭で考るだけではなかなか難しいところがありますので、正しい動きを確認しながら実際にやるようにしましょう。
持っている力を発揮するため、体を使った緊張コントロール法を今すぐ始めることをお勧めします。

 
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宮松大輔
この記事を書いた人
宮松 大輔(daisuke)
一般社団法人あがり症克服協会 認定講師

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